月光荘の常連のお客様だった、パナソニック創業者の松下幸之助さん。経営の神様のアイディアの源泉は、一枚の紙と鉛筆でした。
「真っ白な紙を前にすると、身構えてしまう。でも方眼用紙や罫線では発想が制限される。1センチ四方がはっきりわかる薄い点ぽちなら、アイディアスケッチやメモを描くときのきっかけやガイドになるし、発想を邪魔しないから使いやすくて良い。コピーしたとき目印が魔法のように消えたらなお良い」というご提案を松下さんからいただき、薄い水色の点が打ってある「ウス点」という月光荘スケッチブックが誕生しました。
当時はコンピューターもない時代、会社で使うということで松下電器さんから大量にご注文をいただいていました。
このスケッチブックは2008年のグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しています。
月光荘の歴史は、お客さまから直に注文をお受けし、オーダーメイドでお応えしてきたビスポークの歴史です。ビスポーク(bespoke)という言葉は英語の“be-spoken”に由来し、「話し合う」という意味があります。月光荘は画材店という枠を越え、文具、家具、服飾、雑貨など、お客さまのご依頼に応じて様々なジャンルの職人と話し合いを重ねながら、アートのエッセンスを大切にした製品を作り続けてきました。
時代の変化につれて使う道具が変わっていっても、物を生み出す人を月光荘が全力でサポートする姿勢に変わりありません。新世代の松下さんとの出会いを楽しみに、私たちは製品開発のクオリティを磨き続けます。