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月光荘の木炭

月光荘の木炭

元月光荘スタッフの神奈川在住の炭職人の庭で、原木を育てるところから気の遠くなるような過程を経て、一本の木炭が生まれます。原料となるのは、愛情こめて育てられた柳(行李柳)の木。柳は非常に軟らかく、青みを帯びた濃い黒色が出るので、紙面に吸い込まれるようななめらかな描き味。画面を傷めずに濃淡の調子を出したりぼかしたりと、表現の幅が広いのが特徴です。

職人の思いが詰まった一本、ものづくりの土台は美意識と愛です。それが量産品との大きな違いを生むのです。


<製造工程>
1.伐採…原木から成育した柳を落葉後に伐採。水を張った壺の中で越冬。
2.皮剥…四月上旬、新芽が出た頃に表皮を剥いで乾燥させる。
3.築窯…レンガ、粘土等で窯を作る。燃焼室は一斗缶を一回り大きいくらいのサイズ。
4.窯の空焚き…粘土が乾燥したら一度空焚きをする。
5.燃焼準備...空焚きをして温めた窯に薪を入れ、鉄板でフタをする。
6.火入れ...着火して煙の量や匂い温度をチェックし、まずは約2時間燃焼させる。
7.焚き込み…風や湿度、薪の状態により変化するので、かかりつけの番が火の調節をしながら、7時間ほど完全燃焼させる。
8.消火…一晩かけて自然消化するのを待つ。
9.窯出し…窯から一斗缶を取り出す。折れや欠けに注意しながら木炭を集める。木炭同士で高音の響きがしたら良く炭化した証!
10.採寸…折れ、曲がり、ねじれのひどいものをのぞき、1㎜単位の太さで振り分ける。一回の出炭数は150~200本。