
デッサン用の木炭は、月光荘の元スタッフで神奈川在住の炭職人の庭で、丹念に育てられた柳(行李柳)の木を原料として使用しています。
充分に成育した枝を選び、落葉後に伐採。水を張った壺の中で越冬。四月上旬、新芽が出た頃に表皮を剥いで乾燥させます。風や湿度、薪の状態をよく見ながら火力調節をして、手作りの釜で9時間ほど完全燃焼、そこから一晩かけて自然消化するのを待ちます。折れや欠けに注意しながら窯出しし、木炭同士で高音の響きがしたら、充分に炭化した月光荘自慢の木炭の完成です。
原木を育てるところから、気の遠くなるような過程を経て、一本の木炭が生まれます。ものづくりの土台は美意識と愛です。それが量産品との大きな違いを生むのです。